社会人博士の深層学習ブログ

深層学習を使った環境音認識研究で、働きながら博士号を取得しました

【社会人博士】体験談③〜2年目にしてようやく国際学会へ〜

ほぼほぼ初心者の状態から社会人博士課程に入学し、1年半ちょっとがたちました。

うまくいけば半分が過ぎたことになりますが、こんなペースでちゃんと学位が取得できるのでしょうか。。

 

入学を決めるまでの2年間や入学直後の感想も書いてありますので、よかったら読んでみてください。(ただの日記になってしまっていますが)

ys0510.hatenablog.com

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D2の7月:急遽、本テーマとは微妙に異なるタスクに関するワークショップへの申込み

それまでやっていた研究テーマとはちょっとだけ違いましたが、興味本位である分野についてちょっと勉強していたところ、先生からこんなメールがきました。

「あまり時間がないですが、○○というワークショップに出してみますか?」

出せるものなら出したい!という気持ちはあったものの、「いいえ、出しません。」なんて返信できず、そのワークショップに急遽出すことになりました。

 

この時点で締切まで18日。執筆作業はおろか、実験すらこれからという状態。。何かしらの改善は見らるだろうというアイディアはありました。それを実験してまとめるだけ、といえばそれだけなのですが、間に合うかどうか非常に焦りながらやっていました。

3月に投稿した英語論文の執筆にはえらい時間がかかってしまったのですが、今回は4ページということと、2本目ということもあり、何とか間に合わせることができました。トップカンファレンスとは違い、若干緩いというのもありますが、2週間強という短い期間で投稿までできたというのは少し自信になりました。

 

その後、月末には3月に提出した学会用の論文の最終提出が控えていました。レビューでの指摘内容を反映させる必要がありましたが、追加実験などの重い修正はなかったので、言い回しや説明のみ修正。そこまで苦労せずに無事に提出。

また、並行して、8月に提出を予定していたシンポジウムの論文のための実験を行っていました。

 

ちょうど1年前の7月は、画像データを使った深層学習の練習から、やっとの思いで音データを深層学習に適用するということをやっていました。

それと比べると、博士課程も2年目に入り、キャパシティが増えてきたように感じます。自分がまだまだなのは承知の上ですが、成長できているという感覚はモチベーションになります。


8月:別の国際シンポジウムへの申込み〜少しずつ論文投稿に慣れてくる〜

とあるシンポジウムの投稿を予定していました。締切が8/10だったのですが、いまだ実験結果はいまいち。いつもギリギリなのですが、お盆休み前になんとか結果を出そうと焦りながら学習を回してましたが、締切が延長に延長されて、8月末まで伸びました。結局、3週間延びても、満足できる実験結果は得られなかったですが、なんとか体裁を整えて投稿を完了。

7月に投稿したワークショップも無事に採択されました。

国内の研究会に泣きそうになりながら提出していた半年前とは状況が少し変わり、少しずつ国際学会に採択されるまでに至るようになってきました。

 

人間の慣れはすごいもので、一本目の論文に泣きそうになっていましたが、不思議と2本目以降は勝手がわかってきたような気がします。

(クオリティがまだまだなのはもちろん承知の上ですが。ツイッターでマウンティングしている天才たちと比べると辛くなるので、過去の自分と比べます。。)

 

10月:社会人博士になってはじめてのポスター発表

ワークショップのため、ニューヨークへ行きました。自分にとっては初めてのポスター発表で、どう作ればよくわからなかったものの、過去の先輩のポスターを参考に数日間で完了したように記憶しています。

ワークショップ当日は、同じ分野で活躍されている国内外の方々と触れ合うことができ、本当に刺激的でした。今回はただの社会人学生という立場での参加でしたが、継続的に参加し、自分も認知されるようになりたい!と強く思いました。

特に帰国後、会社ではあまり意味を感じられない業務もあるかと思いますが、極力、自身の将来につながる仕事を割合を高めていかなければと強く思うようになりました。

 

有給休暇を極力使わないためもあって、NYでは2泊しかできませんでしたが、学会後の午後は少しマンハッタン島を観光できました。

写真は、9.11のグラウンド・ゼロとタイムズスクエア。NYは2回目でしたが、なんど見てもグラウンド・ゼロはなんとも言えない怖さと重みを感じます。

 


11月:社会人博士はじめてのオーラル発表、まさかのトップカンファレンスinマカオ

初めて採択された論文の発表にマカオへ行ってきました。M1の時以来の国際学会でのオーラル発表でした。トップカンファレンスということもあり、会場はものすごく大きくて豪華でした。20セッションが同時並行で開催され、合計900件近い発表があったかと思います。

自身の発表に関しては、MITのポスドクの方が興味を持って聞いてくれていたのが非常にうれしかったです。

写真のように、メイン会場、展示会場、各セッションの会場とかなり規模が大きかったです。

特に驚いたのは、ホテルも会場もすべてが豪華でした。下はホテルの写真ですが、シングルの空室がなかったらしく、一人なのにダブルベッド2つの部屋2つという超豪華仕様でした。

次の写真は、バンケットの様子。もはや結婚式以上の規模で食べ物もお酒も美味しかったです。

12月:マカオでの発表もつかの間、遅すぎたジャーナル執筆開始

着手が遅すぎたのですが、ようやく1本目のジャーナル投稿です。悪い癖ですが、勝手のわからないことに対して、腰が重くなってしまっていたように思います。

実際やってみると、カンファレンス用の6ページ論文よりも、ストーリーや論点に対する評価がきちんとなされていないとリジェクトされるということで、かなり、ストーリーを直しました。いつもギリギリですが、何とか締切当日である12/31の夜に提出することができました。

学位取得には、ジャーナル2本、国際学会2本が必要といわれており、3年目の4月の段階で少なくとも1本アクセプト、1本投稿中にしなければならないらしいです。出版時期の決まっている特集号なので、査読期間は早いはずですが、それまでに採択されることをひたすら祈るばかりです。(これから社会人博士を始める方は、私みたいにオーラル発表3件出してないで、ジャーナルを優先することを強くお勧めします。)

 

 

という感じてで、2019年は1年目に比べて、多くのアウトプットができたかなと思います。もちろん、クオリティという面では、まだまだ先人にはかないませんし、努力しなければなりませんが、仕事でも大学の研究でも、やってるだけじゃ意味がなく、世の中に出してこそという意識は強くなりました。

2020年は、1月にハワイでの発表が控えていますし、3月にオーラル投稿、4月ジャーナルをしなければと思っています。2019年以上に、充実した1年にできればと思います!