ほぼほぼ初心者の状態から、社会人博士課程に入学し、早いもので3年が経ちました。
結論から申し上げますと、ありがたいことに働きながら3年で博士号を取得することができました。(正確には、最終試験に合格し、学位授与式を待っている状態ですが。)
最後の半年間について、とりとめのない日記形式で記録しておきます。
また、入学を決めるまでの2年間や入学直後の感想も書いてありますので、よかったらそちらも読んでみてください。
前回までの振り返り
最終的に博士号を取得するための要件はジャーナル2本。(ただし、国際学会2本をジャーナル1本とみなすこともできる)
2年半が経過したD3の8月時点では、以下のような状況でした。
・ジャーナル:0本(1本投稿中)
・国際学会 :3本
すでに標準年数の3年に対し、残り半年。最低でもジャーナル1件はなんとでも通さなければ後がない。。という状況でした。
D3の9月:Minor rivisionからAcceptに
Minor rivisionの提出から1ヶ月ほどで採択の連絡をいただきました。Minor rivisionまで来ていたので、大丈夫だとは思っていましたが、ようやく1本ジャーナルがアクセプトになりました。
と同時に、先生から「あともう1本出せば文句なしです」とのメールをいただきました。
あわよくば、ジャーナル1本+国際学会3本でもいけるのでは。。という淡い期待を抱いていましたが、やはりそうはいきませんでした。
10月:2本目のジャーナルを執筆開始
もうすでにD3の10月になってしまいました。こんなペースで3月に卒業できるのだろうかという不安がありましたが、怖くて聞けず。。
どちらにしても、ジャーナルを投稿して、博士論文を書くという、やるべきことは変わらないので、とにかくジャーナルの執筆に集中しました。
9月に採択されたジャーナルが公開された喜びもつかの間、とにかく1週間でも早い投稿を目指します。
11月:2本目のジャーナルを投稿、博士論文の執筆開始
11月の1週目になんとか2本目のジャーナルを投稿しました。投稿したのもつかの間、先生から、「これが通れば要件を満たしますので、博士論文の執筆に取り掛かりましょう」とのご連絡をいただきました。
いつもギリギリで過ごしていた私がいけないのですが、やることが次から次へとやってきます。
投稿したジャーナルの結果が返ってくると、おそらく修正作業や追加実験が必要になり、また時間を取られてしまいます。
3月卒業を目指すのであれば、投稿したジャーナルの結果が返ってくる前に、博士論文の下書きを終えておきたいところです。
12月:審査員の先生方に博士論文提出
投稿したジャーナルは、査読が早いと聞いていましたが、まだ結果は返ってこず。。
12月31日に審査員の先生方に博士論文を提出しました。
1月:投稿中のジャーナルがMajor rivisionに+公聴会
投稿していたジャーナルの結果が返ってきました。結果はMajor rivision。大きな修正が必要とのことでした。
また、1月には、発表1時間、質疑応答30分の公聴会がありました。本来は大学で行われるのですが、今年はコロナの影響でリモートで行われました。
数式に関連するところなど、いくつかの質問にうまく応えることができませんでしたが、無事に最終試験に進んでよいとのことでした。
2月:最終試験
最終試験は、公聴会でのコメントに対する回答と英語プレゼンによる英語力の試験でした。
完璧には答えられない部分もあったものの、結果は合格ということでした。
ここまでくれば大丈夫だろうとは信じていたものの、実際に結果がでると嬉しさがこみ上げてきました。
入学式のときには、まさか3年で卒業できるとは思わず、6年間の長期履修制度を利用しようとして、先生に怒られたくらいでしたが、先生をはじめ、周りの方々のサポートのおかげで、なんとか3年で卒業することができました。
また、投稿中のジャーナルも無事に採択され、最終的には以下のような論文実績でした。
・ジャーナル:2本
・国際学会:4本
3年間常にギリギリに生きてきましたが、結果的には特に問題のない本数で終われました。
3月:学位授与式
残念ながらコロナの影響で卒業式はありませんでしたが、研究室単位で学位授与が行われました。
修士の時は対して嬉しさは感じませんでしたが、本当に卒業できるかわからないまま始めた社会人博士だったので、心から嬉しさがこみ上げてきました。
入学を決めてから卒業するまでの4年間のまとめ
体験談①〜⑤と長々と日記のように書いてきて、全体感がわかりにくいかと思いますので、修了までの研究のペースを以下にまとめます。
入学前
10月:研究室の先生にアポを取って、進学の相談
1月:願書提出
2月:入学試験(英語プレゼン)
3月:合格発表、入学手続き
D1
4〜7月:関連分野の勉強、先行研究の調査、プログラミングの勉強など
11月:査読なし国内研究会1件投稿→12月発表
2月:国際学会1件投稿→D2 6月に採択、D2 11月発表
D2
7月:国際学会1件投稿→8月に採択、10月発表
8月:国際学会1件投稿→11月に採択、1月発表
12月:ジャーナル1件投稿→D3 9月採択
2月:Letterオプション付き国際学会1件投稿→6月リジェクト
D3
8月:リジェクトされた論文を修正し、別の国際学会へ投稿→11月採択、1月発表
11月:ジャーナル1件投稿→2月採択
12月:博士論文提出
1月:公聴会
2月:最終試験
3月:学位授与式
というわけで、勢いでスタートした社会人博士でしたが、働きながら3年間で博士号を取得することができました。
常に睡眠不足で土日も休めないような生活になるのではと恐れていたこともありましたが、周りのサポートのおかげもあり、意外と睡眠や体力を削ることなく、やりくりすることができました。
もちろん、研究室や研究テーマにもよって、大変さも全然違うかとは思いますが、迷っているなら、ぜひ進学を前向きに検討していただければと思います。
私自身は、この経験がキャリアの大きな転機になったので、行動してよかったと心から思っています。
この拙いブログが何かの行動のきっかけになれば幸いです。