本記事では、社会人博士に進学するにあたり、 より具体的なステップについて書きます。
最近、これから社会人博士を検討している方とお話する機会が何度かあったのですが、以下のような共通の困っていることがあることがわかりました。
・具体的な研究室の見つけ方
・修士までの研究内容と異なっていても、進学、終了することは可能か?
博士課程に進学するためには、願書提出前に以下の手続きが必要です。
①所属したい研究室の教授(指導教授)に許可を取る
②指導教授の所属する学科の教授会で承認を得る
③正式に願書提出、入学試験
この中で、そもそも研究室をどうやって見つけるか。見つけたとして、進学の許可を取るのか?
具体的なステップが見えないからこそ、行動をためらっている人もいると思うので、これらの項目について私の考えを書きます。
あくまで、n=1の体験談ですが、参考になればと思います。
研究室の見つけ方
研究した内容が、卒業した研究室の内容と異なっていた場合、具体的にどのように研究室を見つければよいかで悩む方は多いようです。
これに対して、私の考えは以下通りです。上から順に実施できるものを実施していければよいかと思います。
①事前準備
自宅から通えそうな場所にある研究室のHPをできるだけ調べてください。
詳細の内容まではわからないかもしれませんが、まずはざっと興味のありそうな研究室をリストアップしてください。
自宅から数時間かかるような大学を選ぶ方も中にはいらっしゃると思いますが、体力的には相当しんどいです。
ちなみに、私は自宅から大学まで1時間半の距離でしたが、授業や実験のために毎回大学に足を運ぶのは体力的に不可能だと感じました。
たまたま、私の研究テーマは、リモートで進められる内容だったので、問題は生じませんでしたが、実機を使った実験を行う研究テーマを扱う場合、1時間以内で通える研究室を選ぶことをお勧めします。
②研究室の先生にコンタクトを取る
第2ステップでいきなり緊張するイベントだと感じるかと思います。具体的に何をすればいいか、2通り紹介いたします。
事前に興味が持てそうな複数の研究室に対し、以下の方法でコンタクトを取ってみましょう。
1.知り合いのツテをたどる
比較的ハードルが低いのが、知り合いのコネを頼るという方法です。
例えば、知り合い(もしくは知り合いの知り合い)に以下のような人がいたらコンタクトを取ってみてください。
・大学時代の同期がどこかの大学で助教をやっている
・社内に非常勤講師や客員教授をやっている人がいる
・大学との共同研究をしたことがある
そんな知り合いいないよ!っていう方は、勇気を振り絞って2を実施してください。
私の後輩は複数の研究室に対して2を実施して、問題なく博士課程に進学しています。
2.HPに載っているアドレスに直接メールを送る
言わずもがなパワープレーです笑。
簡単な自己紹介とやりたい研究を添えて、博士課程に進学を検討しているので、一度会って相談させていただけませんかというメールを送りましょう。
いきなりメールして大丈夫かな?などと恐れる必要はありません。
入学金や学費を払って進学しようとしているのですから、進学したい研究室について調べるのは当然のことです。
それに、やりたい研究内容や社会人としてのスケジュール感のすり合わせを怠り、留年や退学になってしまっては、お互いに不幸です。
研究室にとっても、博士課程の学生が来てくれることはwelcomeです。
③研究室の先生に会って相談、進学の許可を取る
研究室の先生にアポを取ったら、研究室を訪問して、より具体的なことを相談しましょう。
相談したいことは山ほどあるかと思いますが、以下の2つは必ず相談しておいたほうが良いかと思います。
・日々のスケジュール感について
・長期履修制度について
日々のスケジュール感や自身の仕事の都合については、必ず伝えておきましょう。
平日はどれくらい時間が取れそうだとか、研究室にはどれくらい足を運ぶことができそうか。そのようなスケジュール感で学位が取得できるかどうかを確認しておきましょう。
具体的なスケジュール感を話したら、長期履修制度についても予め相談しておきましょう。何年で卒業することが現実的なのか、より具体的にすり合わせができると思います。
ちなみに、私の指導教授は、「長期履修してもいいけど、はじめからそんな態度じゃいつまで経っても卒業できないよ」とおっしゃっていましたが、
私の後輩は、「無理に3年で卒業しようとしなくても、長期履修制度に申し込んだら?」と言われたそうです。
先生によって、卒業までのスケジュールに対する考え方が異なっているのかもしれません。
最終的に、進学を希望する研究室の先生に進学を認めていただければ、後は先生が手続き(教授会での承認等)を進めてくれます。
教授会で認められれば、先生から連絡が来るので、正式に願書を準備するという流れになります。
結論
社会人博士を検討している方の多くが悩む、研究室選びについて書きました。
教授に直接連絡するなんて恐縮してしまう、という方は多いかと思いますが、全然気にすることはありません。
結果的に、その研究室には進学しないことになったとしても、社会人で大学に通おうなんて考える人に対し、邪険に扱う先生はいないと思います。
具体的なステップが見えないために、行動をためらっている方の参考になれば幸いです。