社会人博士の深層学習ブログ

深層学習を使った環境音認識研究で、働きながら博士号を取得しました

【社会人博士】体験談②〜1年目の3月でようやく国際学会へ投稿、まさかの採択〜

ほぼほぼ初心者の状態から、社会人博士課程に入学し、1年ちょっとがたったので、今までをまとめてみます。

 

入学を決めるまでの2年間や入学直後の感想も書いてありますので、よかったら読んでみてください。

(ただの日記になってしまっていますが)

 

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1年目の12月:人工知能学会の研究会での発表

学会の支部?である研究会で初めて発表しました。平日だったので有休を取って参加しました。

研究の内容はともかく、発表だけは褒められました。人を説得したり、わかりやすく報告したりという部分は、社会人になってから伸びたものでもあると思っています。

30歳を超えてから今さら博士課程に進学するなんて。。

という思いもあるものの、ストレートで博士進学した天才達とは違う経験やスキルがあると信じて活かしたいものです。

これも、某創業者がおっしゃっていたことではありますが、

 「差ではなく違いを活かせ」

ということかと思います。これだけインターネットが広まるはるか前の時代を生きた方でしたが、現代にも通じる本質を見ることができていたというのは、やっぱり尊敬しますね。

 

1月:大きな進捗のないまま、研究室内の中間報告会へ

特段進展がないまま学内の2回目の中間発表がありました。

当然、大した進捗がないので、「これじゃいつまでたっても論文出せないよ。」と厳しいことを言われてしまいました。。

まず今の成果でいいから、トップカンファレンスじゃなくていいからとにかく出そうということになる。

 

後になって反省ですが、「何がオリジナリティかわからん状態」が半年間ずっと続いていたように思います。

 

 

2月:社内公募合格による異動とトップカンファレンス投稿

先生と話していると、トップカンファレンスに出す流れに。。

先生、わたしゃボトムカンファレンスでもいいのですよ?

 

12月に発表しているものを英語に直す作業をしましたが、この作業が思った以上に時間がかかる。。ただただ英語に直して、少し評価実験を追加するだけですが、1ヶ月くらいかかりました。

その結果、締切の10分前に提出。細かいところは詰められておらず、一度も先生にも見てもらえず。。もっと計画的に進められないもんかな。

 

一方、会社の方は、社内公募に受かって転勤になりました。生産技術エンジニアとして、工場向けの設備や装置を研究開発する部署から、一般ユーザー向けのロボティクス開発を行う部署に異動しました。また、場所的にも、今まで1時間半以上かかっていたところ、1時間以内で通える場所になり、時間的な余裕も増えました。

 

社内公募に受かることができたのも、社会人博士での行動力や実績による効果は大きかったように思います。

学費は年間55万円ぐらいかかっていますが、通勤時間を往復1時間以上も削減できたので、それだけでも大きな投資効果になったと思っています。

(もちろん、社会人博士として学んだことが、仕事における研究開発にも役に立っていました。)

 

3月〜5月:謎の大規模組織変更によるゴタゴタとD2への進級

ひとまず、国際学会に1本投稿は完了したので、ようやく研究も次のステップへ。

具体的には、今までモノラルマイクを使った環境音認識技術を研究していたのですが、複数のマイクを使うことで性能を上げられないかということに取り組んでみることになりました。

留年という概念があるのかないのかよくわかりませんが、4月からD2に進級しました。

 

ここで、会社の組織変更があり、異動後たった2ヶ月で、また異動になりました。これがあるから会社は怖い。組織変更や異動になることは覚悟していましたが、まさか2ヶ月とは予想していませんでした。

(実を言うと2/1に異動し、2/14に組織変更の辞令をもらいました。なんで募集したし。。)

まぁ、異動したことに後悔はないですがね!より自分らしく生きるために変化あるのみです。前の方が良かったとしても、戻りたいではなく、また次に進みたい!です。

 

6月:まさかの採択

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3月に投稿したカンファレンス、結果はまさかの採択でした。

圧倒的にリジェクトされるものだと思っていたので、嬉しすぎでした。

この結果をもとに感じたこととしては、タスクの難しさや性能ではなく、新しいジャンルを開拓していくことの大事さを感じました。

人と同じ土俵(同じタスク)で性能を競い合っていたら、競争が激しすぎますし、新参者にあまりいい戦略のように思えません。

いい例としては音声認識です。google homeやアマゾンエコー、Siriといった、巨大な既存企業がすでにバリバリ研究を進めている分野に対して、1学生が勝負を挑んでも分が悪すぎます。

難しいかもしれませんが、自分ならではのジャンルを開拓していきたいなと、改めて考えるようになりました。

思えば、会社にも博士持ちが何人かいます。小難しいことは言うけど、ビジネスマンとして建設的かというとそうではない方も中にはいらっしゃいます。

自分ならではの新しい世界を描けないと、博士はいわゆる足の裏の米粒状態のような気がしました。もし自分が博士号を取得できたら、そうならないように独自性を発揮できるよう頑張りたいなと思います。

 

 つづく。

 

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