社会人博士の深層学習ブログ

深層学習を使った環境音認識研究で、働きながら博士号を取得しました

【プロジェクト運営】目的、目標と手段を間違えてはいけない

仕事で新しいプロジェクトをはじめるとき、基礎研究よりの部署だからなのかわかりませんが、プロジェクト自体の目的がわからなくなるときがあります。

 

某創業者の方が「理念なき行動は凶器であり、行動なき理念は無価値である」とおっしゃっていました。

 

和仁達也&鳥内浩一 presents 会社の理念とお金を両立させるビジョナリー・マーケティング

 

管理職側からすると、いいから言われたとおりやってくれよという気持ちもあるのかもしれませんが、目的のわからない頑張りが誰かの役に立つ可能性は限りなく低いと感じまてしまいます。

 

特定のプロジェクトのことを言っているわけではありませんが、みなさんも同じような経験をされたことがあるのではないでしょうか。

 

 

私の拙い経験から考えた結論ですが、(特に基礎研究)プロジェクトを運営するにあたり、もっとも大事なことは目的を明確にし、チームの軸として共有することだと考えています。

 

 

目的:解決したいこと、実現したいことを明確に

自分も含めて意外とできていないことが多いような気がします。

 

最近だと、「AIで何かできないの?」とか、「AIを使いたい!」というきっかけで、新技術開発をスタートさせるパターンがあるかもしれません。

 

例えば、「AIを使って、もっと高度なロボット掃除機を作りたい!」とか。

(私の業務上の話はできないので架空の話です)

 

例えば、興味のある手段先行で考えると、 

・「画像認識で」人を認識して、人のいない部屋から優先的に掃除する

・「音声認識で」掃除してほしいところを教えられる

 とか。どうしても自分の興味のある分野発進でプロジェクト内容を考えてしまうので、その技術で何を解決したいのかがおろそかになってしまいます。

 

プロジェクトを推進する中では、さまざまなことが起こります。

例えば、「ペットも認識してよ」とか「コストも半分にしてよ」とか、さまざまなことを言われるかもしれません。

 

チーム側の軸がぶれてしまうと、あれもこれもと要望に応えようとして、結局何が価値だったのかよくわからなかったで終わってしまいます。

 

したがって、「〇〇で〇〇の〇〇を解決する!」というぶれない価値観をバシンと打ち出せるまで考え抜くということが必要なんじゃないかなと考えています。

 

 

実現したいことを明確にするには、強い思いが必要

そうは言っても、実現したいことって誰しもが持っていることじゃないのかもしれません。

 

以下のリンクに面白い記事がありました。 

要約すると、強い思いのない人が作った場当たり的なリーダーや戦略は会社をだめにすると書かれています。

 

会社をダメにする「場当たり的」なリーダーはなぜ生まれるのか(2019/3/27 ビジネス+IT)

https://www.sbbit.jp/article/cont1/36206

 

大企業にはありがちなのかもしれませんが、入社時は大きな夢や実現したいことがあったのかもしれませんが、知らず知らずのうちに実現したい夢が薄れていってしまうのかもしれません。

 

しがらみもたくさんありますが、死ぬときに後悔することリストにもあるように、やりたいことにチャレンジする気持ちを忘れてはいけないのかもしれません。

 

結論

いつも書いていますが、私は「人の感覚をアルゴリズムで再現し、人の役に立つ研究」をしたいと思っています。

 

ですが、人の感覚をアルゴリズムで再現するというのは、あくまで1つの手段に過ぎず、それが人の役に立つのかは不明であり、また、何の役に立てたいのかも不明です。 

 

やりたい仕事に就きたいと努力する傍ら、こういった手段先行の思考でいいのか?と長年悩んできました。

 

しかし、一向にそういった課題が見つかりません。会社のキャリアプランシートを埋めるため、無理やり作り出した実現したいプランには、強い思いがこもりませんでした。

 

悩んでいても時間は過ぎていってしまうので、これは一つの私の性格なのだと受け入れようと決めました。

 

今は、自分の直感を信じて、博士過程の研究に集中して、行けるところまで行ってみてみようと考えています。

 

仮に露頭に迷っても、やりたいことにはチャレンジできたのだから、後悔はありません。(露頭に迷いたくもないですし、不自由なく生活したいですが。。笑)