社会人博士の深層学習ブログ

深層学習を使った環境音認識研究で、働きながら博士号を取得しました

【死ぬ前に後悔すること】社会人博士に踏み切ったきっかけと後悔しないための自己分析

社会人の方で、以下のような悩みや不安がある人って多いのではないでしょうか。

 

・このままの自分でいいのか不安

・自己啓発をしようと思っているが、何をやればいいか迷っている

・やったところで意味あるのか?

 

まさに私もその一人でした。今でもその不安は解消されたわけではありませんが、何も行動しないよりかは、一歩ずつ進めてはいるのかなと感じています。

 

私自身が、このままではヤバイと感じた経験を見て、自分も何かやりたかったことにチャレンジしてみようと思っていただけたら幸いです。

 

社会人博士に踏み切ったきっかけ5選

①配属ガチャでやったことのない回路設計担当に

大学時代は、制御工学の技術を使って、ドリルに生じる異常振動の検知技術についての研究をしていました。いわゆる、「力を感じることのできる機械」ということで、非常に面白みを感じました。

 

大学卒業後は、自動ブレーキに代表されるような、アクティブセーフティー技術の開発をやりたいと思い、自動車会社に就職しました。

 

「危険を感じることのできる車」です。一部の一流ドライバーにしか感知できない感覚を車自身が感じ、ドライバーを守ってくれるような、そんな自動車を開発したいと思っていました。

 

しかし、配属されたのは、生産技術部門の電子回路設計担当でした。大学の研究をそのまま活かせるとは思っていませんでしたが、授業すらほとんど取ったことのない領域への配属でした。

f:id:ys0510:20200806173941p:plain

 

今となっては、非常に勉強になりましたし、当時の師匠にも感謝しているのですが、ずっと感覚的に向いていないような気がしていました。

 

この頃は、自分で制御工学の勉強をしたり、FAロボットに関するテーマを提案したりしていたのですが、経験値が浅かったため、何かを変えるには至りませんでした。

 

②半年間のアメリカ生活

英語に興味があって、少しだけ勉強していたことが買われたのか、海外研修を兼ねた半年間のアメリカ出張メンバーに選んでもらいました。

 

この研修は、プチ駐在のような形で、現地のアメリカ人上司のもと、現地プロジェクトを推進するというものでした。日本人の駐在の方にもたくさんお世話になったのですが、基本的には、現地のアメリカ人と仕事生活をともにするというスタイルでした。

 

f:id:ys0510:20200806102929p:plain

ここでは、アメリカと日本で、働き方がここまで違うかということを感じました。

 

・多くのアメリカ人は7時に来て16時には帰宅

・人前で怒鳴らない(何か注意する時は個室で)

・上司承認のための直筆サイン回りはしない

・事前の根回しもしない(会議の場で議論)

 

いいことばかりではなく、簡単にクビになってしまったり、根回しをしないことによって意見がとっ散らかったりということもあるのですが、働き方に対する価値観ってもっと選べるのかもしれないと思うようになりました。

 

③電子回路設計として担当していたプロジェクトがポシャる

大きな会社ならよくあることかもしれませんが、電子回路設計として携わったプロジェクトがポシャりました。

会社なので、失敗した原因を分析して、次のプロジェクトに生かさなければなりませんが、その資料の中に、こんな一文がありました。

 

・ハードウェアに工数を割くべきではなかった

 

この一文の真意は不明ですが、一連の資料を見た私の感想としては、

 

メカや電装部品のハードウェアには付加価値がない

外注で十分(むしろ外注の方が早くてミスがない)

 

ということを言っているように感じました。付加価値がないというのには反論したいですが、何より、必要だと思ってアサインした仕事に対して、アサインした側自ら付加価値がないと切り捨てられてしまったことがショックでした。

 

そうまとめた方にも立場があるので、会社としては仕方ないのでしょうが、1個人のキャリアとしては、まったく大事にされてないということを改めて実感しました。

 

この頃から、やりたくないことを我慢した結果、価値がないと切り捨てられてしまうくらいなら、やりたい仕事にチャレンジして失敗したほうが100倍良いと感じるようになりました。

 

④リーダーシップ研修で学んだ人生論からの気付き

③のプロジェクトがポシャるのとほぼ同時期の話です。リーダーシップ研修を受けることになったのですが、冒頭でこんな言葉で煽られました。

 

「世の中には2種類の人がいます。やりきって満足して死ぬ人と、後悔して死ぬ人。皆さんはどちらですか?」

 

これにはドキッとしました。完全に後者でした。

 

この研修の後半では、自分の価値観や将来像を考えるという時間があったのですが、私にはすごくためになりました。

 

今まで、漠然と不安や不満を抱いていましたが、じゃあ具体的に何がやりたいのかが見つかっていなかったからです。

 

研修で扱った以下の2つの作業が非常に有意義だったので、興味のある方はやってみてください。

 

・価値観カードソート

お金、家族、地位、名誉など、さまざまな価値観が書かれたカードから、大事なものだけを残して、捨てていく作業を行います。これをカードが3〜5枚になるまで繰り返します。

 

私は、予想に反して、「自由」「自己開発」「知性」という3つが残りました。

https://everyday-evident.net/personal-value-card-sort-activity/

 

・将来の姿をクレヨンで描く

単純な作業ですが、これも私には役に立ちました。

クレヨンを使って、なりたい将来像を描くだけなのですが、文字で論理的に考えるというより、直感的な思考が刺激され、理屈抜きにやってみたいことが整理されたような気がしました。

ちなみに私は、人前で新しい技術について発表している姿を描きました。

 

このあたりで、だいぶ自分の方向性がクリアになりました。

 

 

⑤人生で後悔することベスト5を調べてみる

④の研修で発破かけられた影響もあり、人生で後悔することベスト5を調べてみました。2位以降は割愛しますが、第1位が衝撃的でした。

 

1位:他人に期待された人生ではなく、自分の心に忠実な人生を送る勇気があればよかった。

 

それまで、漠然と出世したい、評価されたいという思いを持っていましたが、その考えこそが死ぬ間際に後悔する考え方だったんだと気付かされました。

確かに、他人の期待に応えるために我慢した7年間に対する満足感は、決して高いものではありませんでした。

 

 

興味がある方は、原文を見てみてください。

https://bronnieware.com/blog/regrets-of-the-dying/

 

まとめ

 

長くなってしまいましたが、私は5つの経験から、このままなんとなく人生を送っていたら、死ぬ間際に大きな後悔が押し寄せてくると思い、博士課程に進学しました。

 

博士号に金銭的なメリットがあるかどうかは不明ですが、自分にとって大事な価値観である、自由・自己開発・知性を満たすための行動にはなっていると思うので、後悔はないです。

 

自己啓発というと、スキルアップや収入アップを目指すためという認識が強いですが、自分がやりたかったことを見つけられれば、結果はついてくると信じて頑張ってみようと思います。

 

ys0510.hatenablog.com